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港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.16 良寛さんの手紙とニーバーの祈り

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文政11年(1828)11月12日に、現在の三条市を中心に、
後に「三条の大震」と呼ばれる大地震が起こりました。

マグニチュード7と推定され、死者1400人余り、倒壊した家屋は11000戸と伝えられています。
この時、71才になっていた良寛さんは、地震で末っ子を失い悲嘆にくれる友人の酒造家山田杜皐に手紙を送りました。


地震は信に大変に候。
野僧草庵は何事もなく、親るい中、死人もなく、めで度存候。
うちつけにしなばしなずてながらへてかゝるうきめを見るがはびしさ。
しかし災難に逢、時節には災難に逢がよく候。
死ぬ時節には死ぬがよく候。
是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候。かしこ

(良寛全集 下巻 東郷豊治編著 東京創元社 昭和34年刊より)


「今回の地震は、大変なものでした。私の草庵は、何事もなく、親類で亡くなる者もなかったことは幸いだったと思います。
突然の地震で死ぬこともなく生き延びましたが、被害にあわれて辛い思いをしている惨状を見るのは真に悲しいことです。
しかしながらどうでしょうか。何事にも時節というものがあります。
災難に逢う時には、災難に遭い、死ぬ時には、死ぬのが宜しいのかもしれません。いつも心を定めていることが、災難というものをのがれる唯一の方法というものかも知れませんね。」
子どもを失った人に少し冷たいように思えるこの言葉は良寛さんの深い慈悲の思いが込められていると思います。



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アメリカの神学者 ラインホルド・ニーバーの祈りです。

O GOD, GIVE US
SERENITY TO ACCEPT WHAT CANNOT BE CHANGED,
COURAGE TO CHANGE WHAT SHOULD BE CHANGED,
AND WISDOM TO DISTINGUISH THE ONE FROM THE OTHER

主よ
変えられないものを受け入れる心の静けさと
変えなければいけないことを変える勇気と
これらを見極める叡智を与えてください


良寛さんもニーバーも根本的な考えは同じように思えます。
地震を止めることはできませんし、そこから逃れる術はありません。
どんなに努力をしても、頑張っても、変えられないことがたくさんあります。
嘆いてもあと戻りはできません。静かに受け入れるしかないでしょう。

でも、事なかれ主義にならず、変えられることを変える勇気は大切です。
勇気を出すときは今かもしれません。

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美しい自然と、大切な命を守るために…