1980年を描いた田中康夫氏デビュー作
「なんとなくクリスタル」のように
青春時代を華やかに謳歌し
イケメンの彼と目白のカテドラルで結婚式を挙げ
可愛い女の子に恵まれ、
優しい旦那さまと一緒に
世界のあちこちに駐在し
何の不自由もなく
一点の翳りもない人生を送っていた彼女に
突然 乳がんの告知がありました
なぜ わたし?
彼女は事実をどう理解していいか 戸惑ったでしょう。
死は常に隣いることを初めて意識したでしょう。
でも、彼女は逃げませんでした。
事実を受け入れ、どう対応するか決断しました。
“Stay Positive , Stay strong ”
前向きに 雄々しくあれ と。
私が彼女に初めて会ったのはユーミンの帝劇
「あなたがいたから 私がいた」 を観劇しての
ユーミンファンオフ会でした。
会ってすぐに「腹心の友」だとわかりました。
去年の今ごろ、会ったとき
彼女は術後だったのに、まったく気配を感じさせませんでした。
知らない間に
覚悟をもって美しい長いストレートの髪をばっさり切り、
周囲の人にも知らせることなく
真っ向から運命に挑んでいきました。
私は彼女から事実を聞かされた時、
何と言ったら良いかわかりませんでした。
ただ、一緒にいて、何かしたいと思いました。
物を書きたいという彼女に
そう思ったら書くしかないわよと言うしかない私。
知らない間に
毎日女性会議で学びを続け、
なんと、第4期最優秀賞に輝きました。
最優秀賞作品です⇩
お誕生日前日に手術を受けた時の記録、
サバイバーの皆さんとのインタビュー、
重いテーマを扱いながら
明るいのはそこに希望があるから。
そして彼女は4月から母校の大学院に社会人枠で入学し、
再び、花の女子学生になりました。
シスター渡辺が話してくれた言葉が浮かびます。
順調な人生にも突然、穴があきます。
その穴から、何を見るでしょう…
彼女は思ってもみなかった世界を知りました。
穴があいたからこそ、見える世界です。
前へ、前へと進む彼女、素敵です。
先日、親しいお友達が集まっての
受賞パーティーがありました。
素敵な人には素敵なお友達がいっぱい。
一人ひとりのスピーチが心を打ちました。
ユーミンの帝劇お芝居のテーマとなった
旧約聖書エゼキエル書34章15節16節
「神である主のみ告げ。わたしは失われたもにを捜し、
迷い出たものを連れ戻し、傷ついたものを包み、
病気のものを力づける。」
私たちは皆、偶然ではない必然の出会いをしています。
大切にしたいと思います。
ご主人からのお祝いのメッセージは
「なんとなくクリスタル 永遠に」
穴があいても大丈夫、そこから見える世界を見つけてください。