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港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.76 母上が残したまいしピアノの音は

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ピアニストの中村紘子さんの訃報を聞いて、

また昭和時代に瞬いた綺羅星一つ 流れていってしまったと思いました。

天国で懐かしいピアニストの方々と再会して音楽のお話に花を咲かせているでしょうか。

 

少し前のことです。

小学校の後輩のFBを読んでいましたら、

午後のリサイタルの音楽がYouTubeにアップされていました。

 

彼女のお母様の弾くショパンスケルツォを聞いた時、

まるで優しく抱きしめられて、大丈夫よ、大丈夫よと言われている気持ちになりました。
彼女はその音を「ママの音」と呼びます。

 

昨日、彼女からママの弾くピアノのCDをいただきました。
そして、ママの思い出を聞きました。

 

明治生まれで鎌倉育ちのピアニストのお祖母様、
パリ国立音楽院を1956年に主席で卒業されたピアニストのお母様、
もちろん彼女もピアニストの道を歩まされるところでしたが、
画家だった、父方のお祖母様、がやんわりと守り、彼女を好きな道へと導いてくれました。

 

ピアノなんて大嫌い、
隣の部屋から聞こえるピアノの音を聞くまいと耳を塞いだ日々。
お母様のレッスンはとても厳しかったそうです。

リサイタルは全てのことに優先し、
お祖母様は入院中でも、付き添うことより、
リサイクルが近いのだから、
こんなところにいないで練習をしなさい、とおっしゃったそうです。

 

鎌倉の大地主のお嬢様だったお祖母様はお母様のパリ留学のために
先祖伝来の土地を手放し、ピアニストへの道を歩ませ ました。

今とは比べものにならないくらい大変な時代、
お母様は主席で卒業するほど頑張りました。

ピアノの大嫌いだった娘は、年を重ね、母となり、
人生の痛みも喜びも味わい、今、母残したピアノの音を聞き、
「ママの音」で癒されています。

大学生になった彼女のお嬢様はピアノを弾きます。
2歳からお祖母様に手ほどきを受けたお嬢様は、
最後の生徒となり、名ピアニストの音を引き継ぎました。

たまに、弾いてもらう時、最初の一音でママの音だと
懐かしく思うと話してくれました。
一音、最初に落とす一音、ピアニストの命の一音。

 

私はお話を聞いていて、心がほっこり温かくなってきました。
反発し、忌み嫌った親でも、
いつか赦して、ああ、私はこの人から命を受けたのだと
感謝するときがくるのです。

ましてや、愛情を注いでくれた親を
敬い、大切にしないでどうするのでしょう。

 

このブログを書きながら、いただいたCDを聴いています。
まろやかな音は母の思いやり慈愛に満ちています。
ショパンモーツァルトも、この演奏を聴いたら、
母に抱かれた幼い自分を思い出すに違いありません。

 

♪ 安川加壽子先生追悼演奏会より
ショパン バラード 第3番 Op.47

♪山岡優子  リサイタルより
モーツァルト 幻想曲 k.397
モーツァルト幻想曲 k.475
モーツァルト ソナタ 第11番 k.331「トルコ行進曲付き」

 

いろいろなことが重なり合い、疲れはてた私の背中を
優しくなででくれるようです。

音楽って素晴らしい癒しの力があるのですね。

 

梅雨が明けて一気に夏になった日、

お母様のご贔屓にしていたギリシア料理のお店で

ステキなひとときを過ごせて、嬉しかったです。

 

 

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スパルタ  

 

https://youtu.be/92vgwc17PYE