港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.121 地上最強の商人 オグ・マンディーノ

12月に入るとクリスマスイルミネーションが美しく町を飾り、
なんとなくウキウキしてくるはずなのに、先行きが不透明で、
活気イマイチの2016年。

サクラダファミリア

イギリス ホークスヘッドの地区教会のステンドグラス


でも、み子イエス・キリストの誕生は「大きな喜び」であり、
クリスマスは特別な意味を持つと確信します。
オグ・マンディーノというアメリカのベストセラー作家の作品に
「地上最強の商人」(The Greatest Salesman in the World)があります。
日本語にも翻訳され、京セラの稲盛和夫会長が世に出し、
多くのビジネスマンの必読書となっています。
いわゆるハウツー本で、人生の成功の秘訣は「日常のよき習慣」であるなどが
アラブの古い巻物を通して語られています。

あらすじは・・・・
2000年前、アラブの隊商のらくだの世話係のハフィドという少年がいました。
彼は貧しくても誠実で、明日を信じて一生懸命にらくだの世話をしていましたが、
その隊商の主人のうつくしい娘リーシャに恋をします。
らくだの世話係から這い上がりたいと願う彼に主人はチャンスを与えます。

ひとりで商売に行き、100枚の布を一枚残らず定価で売ってくるというものでした。
彼はこのチャンスにかけ、元気に出かけていきますが、
思ったように売れるものではありません。
あちこちの町や村を回り、やっとの思いで売りさばいていきました。
最後に一枚を残すのみとなったころには一年終わりかけていました。

ベツレヘムという町にやってきた彼は、宿屋にとまる部屋もなく、
仕方なく裏に回り、疲れ果て、馬小屋で休もうと入っていきました。
目が慣れると小さな光に照らされた男と、若い女が目に入ってきました。
その二人は疲れている様子ですが、その顔は不思議な喜びに満ちていました。
二人が見つめている先を見れば、
飼い葉おけの中に赤ん坊がすやすやと眠っていました。
その姿をみたとき、彼の心のそこから温かな喜びがあふれでてきて、
思わず何かをしたくなりました。
見れば赤ん坊をくるんでいるのは擦り切れた古い布一枚で、あとは飼い葉です。

彼はたった一枚残った真っ赤な衣を広げると、それで赤ん坊をそっとくるみました。
ぱっと目をさました赤ん坊は彼の目をみて、微笑みました。
ハフィドはうれしさでいっぱいになりました。
そのとき若い母親が「ありがとうございます。
あなたは今、この子に一番必要なものをくださいました」
彼はにっこり笑うと黙って馬小屋をあとにしました。
この家族をそっとしておきたかったのです。

しばらくして彼ははっとしました。
大事な商品を無償でささげてしまったのです。
全部売り切ってこなければいけなかったのに。
ご主人さまは約束を守る方ですから、きっとお許しにはならないでしょう。
せっかくのチャンスを台無しにして、彼の夢は消えたも同然です。
その失意の彼に上に、あの大きな星が照らしているのを本人は知りませんでした。
でもその光景を主人は見ていました。
彼こそアラブに伝わる秘伝の巻物の保持者で、
星に導かれて戻ってくるハフィドこそが、
巻物を渡す運命の人だとわかりました。

彼はらくだの世話をしていた少年に巻物を与え、
ハフィドは主人の娘と結婚し、巻物のおかげで大商人へと成長していくのでした。


1968年にオグ・マンディーノがこの小説を書いき、ベストセラーとなりました。
商売に成功し、お金持ちになるにはどうしたらよいかなど
ビジネスマンの必読書となりました。
そして、20年の歳月を経て、マンディーノはその続編を書きました。

今から12年ほど前、息子が自由学園最高学部のとき、
当時の学園長でいらした羽仁趬先生が
授業でこのテキストを用いて、英語を教えてくださいました。
宿題の予習をする息子と一緒に私も学ばせてもらいました。
その夏、羽仁先生は体調を崩され、秋が深まるころ天に召されました。
地上最強の商人とは誰のことか・・・
とても興味深い内容でしたが、それはさておき・・・


今、必要なものを捧げる このことを心に留めて、
希望の持てないときだからこそ GOOD NEWS を
伝えていく者でありたいと願います。

続編は次回に続きます。