港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.12 マグダラのマリア エロスとアガーぺの聖女

熊本で大地震が起き、多くの方々が不安な思いをされていると思うと、心が痛みます。

なんでこんな理不尽なことが起きてしまうのでしょうか。
何もしてあげることのできない自分の無力さを思うと居ても立っても居られません。
テレビでは同じような映像が繰り返し流れているのでしょう。心を静かに保ち、今日という一日を過ごそうと思いました。
 
 私はキリスト教プロテスタント教育を受けてきたので、マリア様はイエス様のお母様として捉えていました。
ところが、数年前、とても辛い目にあい、どうしようもなくなり、ただ、マリア様にすがりました。
「ママ、ママ、私はどうしたらいいの?」と言葉にしたら、とっても気持ちが楽になりました。
母を早くに亡くし、私はいつでも、どこでも一所懸命頑張ってきましたが、プツンと糸が切れてしまった時でした。
何 にも言わずにマリア様は優しく私を抱きしめてくれる気がしました。
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天の父なる神様に祈るより、ママに泣きつきたい時もあるのです。
そこから聖母マリアさまに祈るようになり、ある時から、マグダラのマリアさんに強く惹かれるようになりました。
ダ・ヴィンチコード」を読んだ時は、よく出来たストーリーだと感心しましたが、それほど思いを深くした訳ではありません。
f:id:tw101:20160415192531j:image  《グイ・ド・レニによる悔悛のマグダラのマリア
 
罪深い女という濡れ衣を着せられたマグダラのマリアさんはバチカン会議を受けて、1969年にそのレッテルを外されましたが、ずいぶんと長いあいだ誤解されてきたものです。
イエスさまが十字架につけられ殺されたときも、男の弟子たちは身の危険を感じて逃げていましたが、マグダラのマリアさんは聖母マリアさまと共にイエスさまが絶命するまで見届けました。
そして、三日後、安息日が終わった日の早朝、マグダラのマリアさんと他のマリアさんはイエスの墓に様子を見に行きました。
男たちはピタリと扉を閉め、意気消沈していたときに、女たちは行動していたのです。
 
そこでマリアさんは墓が空になっていることを知ります。どんな気持ちだったでしょう。
愛する人の遺体がさらわれてしまったと、茫然としたことでしょう。
 しかし、驚くマリアさんに天の使いはイエスが復活したと知らせます。
 
ヨハネ福音書ではマグダラのマリアはイエスに会い、飛びつこうとしますが、「まだ、わたしに触れるな  ノリ・メ・タンゲレ」と言われたと書いてあります。
怖い言い方でなく、優しく言われたと思います。
f:id:tw101:20160415192615j:image悔悛するマグダラのマリア  ティツイアーノ》
 
マグダラのマリアさんは本気でナザレのイエスさんを愛していたのだと思います。
どんなレッテルを貼られようと、マリアさんにはどうでもいいことだったと思います。
イエスさまの恋したマグダラのマリアさんは エロスとアガーぺの聖女だったのです。
そして彼女はイエスの教えを伝える伝道師となったのです。
素晴らしい女性、マグダラのマリアさん。
3枚の絵画はこれまでに私が出会ったマリアさんたちです。次はどなたのマグダラのマリアさんに会えるのか楽しみです。f:id:tw101:20160415192557j:image  《ラ・トウールの悔悛のマグダラのマリア