港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.39 セビーリャ大聖堂 諸行無常の世界観

 

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セビーリャ大聖堂はスペイン最大の、

そして世界第3位の大きさを誇る絢爛豪華なカテドラルです。

ちなみに第1位はローマのサン・ピエトロ大聖堂
第2位はロンドンのセント•ポール大聖堂です。
レコンキスタ(イスラムから国土奪還する運動)以前は
ここには巨大なモスクが建っていたと言われていて、
今でもその面影が残る中庭があります。
 
スペインが繁栄を迎える時代、
「後世の人々が我々を正気の沙汰ではないと思うほどの
 巨大な聖堂を建てよう」という壮大なコンセプトのもと、
100年かけて完成しました。
 
アルカサル門を通って入場していきます。
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・黄金色の木製祭壇
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大聖堂の中央には「黄金色の木製祭壇」があります。
高さ20m、幅13mの巨大な祭壇ー衝立です。
目がくらむほどのピカピカな祭壇で、イエス・キリスト聖母マリア
生涯が45場面にわたって彫刻されています。
祭壇の中央はマリア様です。マリア信仰の根強いことがよくわかります。
ひかりもの大好きな方にはたまらない祭壇で、
大航海時代、なぜ、スペインが「黄金の国 ジパング」に来たかったのか
わかる気がしました。
これだけ金を使うのだから、集めるのも大変ですものね。
 
・聖堂内部には
パイプオルガン、ステンドグラス、どてもが大きくて、
小さな私はますます小さくなっていく気がします。
こういう効果があるのですね。
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大航海時代、1492年あたりで新大陸を発見したコロンブスの棺を
当時、スペインを構成していた4つの国の王たちがかついでいます。
コロンブスジパングをめざし、アメリカ大陸を発見しました。
メキシコ・ペルーで銀鉱山を見つけ、
スペインに莫大な富をもたらしましたが、見つけらた側は
たまったものではなかったと、ふと、思いました。
 
・ヒルダの塔
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もともとはモスクのミナレットだったものに16世紀になって鐘楼を
つけられ、塔の上には風向計として女性象がつけられました。
女性像はヒラルディーヨと親しみを込めて呼ばれています。
高さは97mあり、階段ではなくらせん状のスロープになっています。
王は馬で乗りこむことができたそうです。
高さ70mのところにある展望台からセビーリャの街が見渡すことができました。
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スペインはもちろんジパングにもやってきて、石見銀山から
たくさんの銀を採掘してもって帰り、こちらの祭壇につかいました。
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セビーリャのグアダルビール川は北から南へと縦断し、大西洋へと
流れ込んでいます。
新大陸から持ち帰ってきた膨大な品々は、この川を上り
運び込まれてきました。
大きな貿易拠点だったのです。
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栄華を極めたスペイン、没落の始まりは
エリザベス一世の時代、無敵艦隊がイギリスに敗れたことから始まります。
武力を持って権力を得て、莫大な富を得ようと、必ず限りがあります。
諸行無常」という言葉をヒルダの塔に立ったとき、ふと、思いました。
 
 
人生の最後に何を残すのでしょうか。
名誉も富も何も持っていくことはできません。
 
そのことを忘れて目先の利益に走らず、慈しみ深く生きようと思いました。
私の見上げる先で、世界一、美人と讃えられたセビーリャの
マリアさまが静かにほほえんでいらっしゃいました。
 
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     松本侑子さんといくスペイン カルメンの旅 2015
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