生涯初めてプロデュースしたコンサートが無事に終わりました。
突然、土砂降りの雨が降るお天気、東京都知事選挙の7月最後の日曜日。
ロンドンから帰って来てからの毎日はストレスの連続で、
自分がどこにいるのかという立ち位置さえ見失いがちでした。
もう、みんな嫌!と匙を投げてしまいたくなる時も
ありましたが、持ち前の意地っぱりで、昨日を迎えました。
いつもの美容院がステージにと変わっていきます。
マリゴールドとヒマワリの黄色い花が飾られると
一気に夏モードに切り替わります。
自由学園父母会でご一緒した同志、
学校の後輩が、お手伝いに駆けつけてくれました。
心配した雨は止み、いくらか涼風がそよぐ中、
お客様をお迎えしました。
ウクライナの歌姫カテリーナと
小学校時代からの親友のピアニスト 弘子ちゃん、
二人の初めての共演。
高温多湿の日本の、特別に湿気のある夏の夜、
バンデューラーすぐに音が狂い、
調弦に思わぬ時間がかかりました。
第一部 はウクライナの曲のバンデューラ弾き語り、
「静かな水の流れ」「おかあさんの言いつけ」など、
バンデューラという楽器の説明もありで、
初めて楽器を見る方達は目が釘付けになります。
ピアノソロ演奏はドビュッシーの「月の光」「子どもの領分」
ドビュッシーの人生にも触れながら、普段聞くこともできない
面白いエピソードも交えての演奏にみんな拍手喝采。
二部はピアノ伴奏でカテリーナがたっぷりと歌を聞かせてくれました。
ミュージックベルも交えての「上を向いて歩こう」は、
手拍子をしながら、みんなで合唱となりました。
チェルノブイリ事故の時には生まれたばかりのカテリーナ。
技師だったカテリーナのお父さまは5年前に膵臓癌で亡くなりました。
お父様のことを話すうちに、ふと涙がこぼれそうになるカテリーナ。
みんなの温かな眼差しに支えられ、「旅立ち」を歌い上げました。
アップテンポのウクライナ民謡、最後のしっとりとした愛の歌。
あっと言う間の2時間でした。
ライブのプロデュース、始めたことのあまりの大きさに恐れをなして、
一回で終わりにしてしまおう、という思いもありました。
お客様一人ひとりをお見送りするとき、
みなさんが、口を揃えて、
「楽しかった。また、やってください」
と、笑顔で応えてくれました。
その笑顔を見ていて、心が熱くなってきました。
やめるわけにはいきません。
大変だったことを改めて、さあ、次のステップを踏もうと思いました。
その場にいる人、いない人、
たくさんの方々に支えられて、ライブは成功のうちに終わりました。
場所を提供してくださったbopのオーナー千葉さんに感謝して、
還暦記念にヘアカットをお願いしてきました。
土砂降りの雨の後には虹がでる…
人生も同様… 雨が止んだら虹に向かって歩けばいい…
ふと、そう、思いました。
忘れられない日となりました。