風の谷のナウシカ… すべてはここから始まったジプリ。
鈴木プロデューサーはこう記しています。
✳︎ ✳︎
スタジオジブリの設立から30年間の歩みを体感できる特別企画。
ナウシカから最新作「レッドタートル ある島の物語」(9月17日公開)まで、
これまでのジブリ作品がどのように生み出され、
世に出て行ったのか。
会場では当時を振り返るポスターやチラシといった広告宣伝物を中心に、
制作資料、企画書など未公開資料を含む膨大な数の資料が所狭しと
展示空間を圧倒します。
✳︎ ✳︎
この夏、32歳,30歳になった私の二人の息子はジプリと共に成長しました。
劇場公開のリアルタイムで観たのは「思い出ぽろぽろ」が最初。
二人ともベストジプリは「紅の豚」らしい…
「平成狸合戦 ぽんぽこ」は彼らの通学していた
浅草小学校体育館で試写会があり、
鈴木プロデューサーがいらして、お話してくれました。
エアコンの設備もない暑い体育館でしたが、
子どもたちは画面に釘付け。
エンディングでは拍手喝采でした。
高校時代、多磨全生園で宮崎駿監督に会った際、
握手をしていただいた次男はディープなファンになりました。
ちなみに、私が一番好きなジプリ作品は
「千と千尋の神隠し」
音楽的には「紅の豚」が大好きです。
3歳になったばかりの孫娘も親の立派な
英才教育のおかげで、ジプリ作品が大好きで、
ほとんどすべての作品のヒロインとお友達です。
でも、顔ナシがちょっと怖い…
それなのに、いえ、それだから、
顔ナシを真っ先にみつけてしまいます。
彼女のダントツのお気に入りは「となりのトトロ」
今回、猫バスに2分間 乗ることができてご機嫌でした。
狭山事件との関連についてなど、
トトロにはいくつかの都市伝説があり、
そこに結び付けられるほど、地元に根差したともいえます。
「ゲド戦記」「借り暮らしのアリエッテイ」は原作の
イメージが強すぎて感情移入ができなくて残念でした。
一度観たきりです。
同じ原作が好きな作品でも、「思い出のマーニー」は
映像美に魅せられ、何度も見直しました。
ジプリ作品の原点 「 風の谷のナウシカ」は何度見ても、
そのたびに考えさせられます。
映画の原作となった漫画「風の谷ナウシカ」全7巻は衝撃的でした。
ナウシカの慈愛に満ちた犠牲の精神だけでなく、
光と闇の対比とリーダーとしての孤高。
闇があるから光がるとナウシカは言います。
奥が深い言葉です。
2011年以降、ナウシカの世界が自分の生きる世界に近くなってきた気がします。
この歳月で私たちは何を得て、何を失ったのでしょうか。
失ったものを取り戻すことできるのでしょうか。
孤高に戦うナウシカはいるのでしょうか?
そう、この世界には飛び抜けたヒーローやヒロインはいないのです。
自分のことしか考えられない人と、
自分のこと以外も考えられる人、
この二種類しかいません。
自分 のことしか考えられない人ばかりになってしまったら、
自滅の道を突き進むのみです。
今なら間に合う、そう、今はギリギリ。
ナウシカの風の谷に生きる人たちのように
生き延びなければ…
子どもたちが安心して生きることができるようにしなければ…
私たちは尊い犠牲の上に今を生きています。
それこそ、先達のみなさまに「明日に架ける橋」を
渡していただいたのだと思います。
渡り終えてたその橋が落ちてしまったら……?
ジプリ展の一画にこう書いてありました。
………………………………………………………
--未来のためにできること--
縄文人が約一万年続いた理由は、自然に対して謙虚で
サスティナブルな文化があったからでした。
しかし、自然環境の変化で、縄文時代が滅んでしまってから
約2400年。
それでも生き残った縄文人達は、外からきたテクノロジーを取り込み、
現在の私たちまで至っています。
(中略)
縄文時代の約一万年の歴史に私達は、
自然に対して謙虚な文化と環境の変化に対して柔軟な文明を
学ぶべきなのかもしれません。
過去の一万年を考える事で未来の一万年を築く答えがると…。
……………………………………………………………………
原発に頼らないことを決めたドイツを旅して
至るところに風の谷の風車があることに驚きました。
一面のソーラーパネルにも驚きました。
台風の影響がないドイツと、
台風が上陸してくる日本。
どちらが不利かは一目瞭然です。
でも優秀な縄文人はきっと生き延びるでしょう。
今の子どもたちが渡れる明日に架ける橋を
私たちが作らないと‼︎
大都会を見下ろしながら、ふと、思いました。