港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.149 映画 “インドシナ ”

f:id:tw101:20190930112435j:image

 

 

 

ベトナムから帰って一週間が経ち、日常生活に戻っていたところに、

ツタヤディスカスから“インドシナ”のDVDが届きました。

カトリーヌ・ドヌーブ主演1992年公開の映画です。

全編ベトナムでにロケをした大作。

49歳のカトリーヌ・ドヌーブ、美しいです。

f:id:tw101:20190930111708j:image

 


ネタバレを含むあらすじは…

時は、1930年代。舞台はフランスの支配下にあったインドシナ半島東部。

人々は一部のマンダリン(特権階級)を除いて、虐げられ貧しい暮らしをしていました。

苦しい暮らしの不満から植民地政策への不満も募り、

共産主義による独立運動の機運が高まっていました。

 


インドシナ生まれのフランス人女性エリアーヌは、

安南の王族の友人夫妻を飛行機事故で亡くし、一人娘の遺児カミーユを養女とし、

友人の遺産である広大なゴム園の経営を引き継ぎ、そこの女主人となります。

 

f:id:tw101:20190930111748j:image
エリアーヌは老父と暮らし、結婚には至らず、独身を通し、カミーユを愛し、成長を見守り、

ゴム園を彼女に引き継ぐために、非情なことも厭わず、経営に辣腕をふるっていました。

そんな彼女の前に年下のフランス海軍士官ジャン=バティストが現れ、

二人はまもなく恋に落ちますが、激怒した父親が介入し、二人の恋は終わります。

 

ある日、美しく成長した養女カミーユが、街中で発砲事件に巻き込まれて、

意識を失った時、偶然通りに居合わせたジャン=バティストが彼女を助けます。

意識を取り戻したカミーユはジャンに一目惚れ。

「運命の人」と熱烈に愛してしまいます。

 


カミーユのことでエリアーヌはジャンを責めます。

口論となり、公衆の面前で、エリアーヌはジャンを殴り、

ジャンはエリアーヌの顔を平手打ちします。

この不祥事の責任を取らされ、ジャンは僻地に左遷されてしまいます。

恋するカミーユは許嫁のタンと結婚式を挙げた後、タンに事情を説明し、

承諾を得て、ジャンを追いかけていきます。

タンもまた、特権階級でありながら、革命に身を投じる覚悟をしていました。

 

f:id:tw101:20190930111800j:image
ようやくハロン湾にあるドラゴン島に辿りついたカミーユが目にしたのは、

ここまで来ると途中、知り合い、助け合ってきた親子が引き離され、

抵抗したという理由で妻と子どもが拷問されている姿でした。

そこはフランス軍の統治による奴隷売買の拠点でした。

怒り燃えたカミーユはフランス将校を撃ち殺してしまいます。

殺人者となってしまったカミーユを連れて、

小さな帆船でジャンはハロン湾を彷徨い、逃亡します。

もはやこれまでと思った時、船は島の一つに流れつきます。

そこには共産主義地下組織があり、彼らに匿われることになりました。

 


自由に動ける旅芸人一座に身を隠した二人は、夫婦となり、カミーユは身ごもります。

なんと、カミーユ独立戦争の「ジャンヌ・ダルク」と称され、

噂はエリアーヌにも届くようにまりました。

カミーユは密かに男の子を産み落とし、ジャンは息子にバプテスマを受けさせた

まさにその時、兵士に見つかり、連行されてしまいます。

本国フランスで裁判にかけられることになり、

サイゴンに連れてこられたジャンは最後の望みとして、エリアーヌに会います。

翌朝 エリアーヌが訪ねてみると、息子と並んで寝ていたジャンのこめかみに銃弾のあと。

自殺と見せかけた暗殺でした。

エリアーヌはジャンがエティアンヌと名付けた息子を引き取り、育てます。

 


カミーユも逮捕され、5年後に恩赦で釈放されますが、

すっかりコミュニストとなったカミーユは母として生きる道を拒み、

独立運動に身を投じていきました。

エリアーヌはエティアンヌの安全を考え、生まれ故郷インドシナを離れ、

祖国フランスに戻ります。

 


時は流れて、1954年、ジュネーブ

レマン湖のほとりでジュネーブ会議が行われ、

南北二つのベトナムの誕生によって独立戦争終結しました。

エティアンヌは母カミーユに逢いにホテルまで行きますが、

結局、名乗りもあげずに、エリアーヌの元に戻ってきました。

「僕の母は、エリアーヌ、あなただけ」というエティアンヌ。

エリアーヌの心に向来した思いは何だったのでしょうか…

静かな湖畔でのシーンで大河ドラマの幕が閉じます。

 

            *       *     *               *     *     *                  *     *      *              *     *     *


インドシナ”2時間40分の大作です。

ベトナムに行く前に観るか、帰ってから観るか、悩みましたが、

帰ってきてからで良かった!

ハロン湾のシーンは深く心に残りました。

 

ジャン=バティストはずばりバプテスマのヨハネの名前。

彼が息子にバプテスマを授けるシーンは印象的でした。

 

f:id:tw101:20190930112451j:image


海外に行く時はその国の歴史も学んで行きたいという

お年頃になったのだなぁとふと思いました。