港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.151 映画『天才小説家の妻』 妻って何かしら…

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ずっと見たいと思っていた映画『天才小説家の妻 40年目の真実』がツタヤディスカスから届き、早速、観ました。

 


2017年製作この映画は、スウェーデン、イギリス、アメリカ合衆国の合作で、

主演はグレン・クロース。

グレン・クロースといえば、なんといってもも『危険な情事』が浮かびますが、

アルバート氏の人生』も見逃せません。

素晴らしい女優さんです。

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あらすじは…

 


ノーベル文学賞を受賞したアメリカの大作家 ジョセフが 

妻のジョーンと息子のデイビッドと共に授賞式の行われる

ストックホルムに行くところから始まります。

 


現代文学の巨匠”と呼ばれる偉大な父を持つデイビッドは

重圧に押しつぶされそうになるながらも、自らも小説を書いていますが、

なかなか認めてもらえず、フラストレーションが溜まっていて、

母のジョーンはハラハラしながらも、見守っています。

 


そこにジャーナリストのナサナエルが現れます。

彼はジョーンこそが才能ある作家で、

最初からジョセフのゴーストライターをしていたのではないかと疑い、

調査を進めて、

ほとんど確信に近いものを持っていました。

 


ジョセフを愛し、妻子から略奪して妻の座についたジョーンは

女流作家は認めてもらえない現実を認め、

多くの人に自作を読んでもらうことこそ天命と思い、書き続け、

ジョセフが主夫となっていたのです。

 


浮気者のジョセフでしたが、それでも、二人三脚人生はうまくいっていました。

しかし、その夫がノーベル文学賞を受賞したとなれば話は変わります。

そんなジョーンの心のうちを見透かすようにナサナエルがジョーンに近づき、

「才能があるのはあなただ。

ジョセフがノーベル文学賞を受ける資格はなく、詐欺だ。

公表すべきだ」と迫ります。

ナサナエルを叱りつけ、ジョーンは受賞式に臨みます。

 

一方、ナサナエルから「天才なのは父でなく、母だ」と告げられたデイビッドは

混乱してしまいます。

自作について父に批判されたのは何だったのか。

彼にそんな資格はない!

受賞式に行く直前に父と息子は言い争いをします。

 

重い心を引きずって受賞式に出たジョーン。
受賞式後の晩餐会スピーチで夫に「内助の功」を讃えられ、

最高の妻と賛辞を受け、心は激しく動揺します。

晩餐会を途中で抜けて戻る車の中で口論となり、ジョーンは離婚を決意します。

ホテルで荷物を詰め、デイビッドの部屋に移ろうとしたとき、

ジョセフが心臓発作で倒れ、救急処置も虚しく、急死してしまいます。

 


帰郷する飛行機の中で、ナサナエルがジョーンにお悔やみに来た時、

ジョーンははっきり言います。

「ジョセフの名誉を傷つけことが有れば、訴えを起こします」と。

それは考えた上での、ジョーンの決意でした。

雲の上を滑るように飛ぶジェット機のシルエットで終わります。

 

 

 

太宰治の映画と続けて見たので、面白さが倍増しました。

今の時代なら、女性でも自分の力で書いていくこともできたでしょうが、

アメリカでさえ、

女流作家は業界で「作られる」存在だったのです。

 

 


夫の女性問題、家事、育児、生活に関わることもこなし、

孤独に耐えながら、名声ももらえず、40年間も夫のために生きてきた思い…

共感することが多くありました。

 


晩餐会の席で、スウェーデン国王に「あなたは仕事をしてますか」と問われ、

ジョーンが“Making King “と答えます。

国王はうちの家内もそう言ってますよと応じます。

なかなか深みがあるシーンでした。

 


映画の原題は“The Wife”

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ズバリ 「妻」 夫にとって妻って何かしらと

問われています。

 


私も夫の仕事に長年携わってきました。

精一杯努めてきました。

還暦で仕事をやめて、これからは自分の好きなことをしようと思いました。

自分の人生ですもの…

 


世の中の多くのジョーンさん、ぜひ、あなたの物語を描いてください。

私も「私の物語」を描くわ、と思いました。