港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.163 『賢者の贈り物』

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『賢者の贈り物』は、言わずと知れた オー・ヘンリーの短編小説で
原題は“ The Gift of The Magi” 
The Magi (大文字)とは、星に導かれてイエス様の誕生に駆けつけてた東方の三人の博士のことです。

 


ちなみに、MAGI マギ とはイラン古語のギリシア語読みMagoi をラテン語化したもので、
魔術師 magician の語源でもあります。
アケメネス朝ペルシアでは祭司階級であるペルシアのマギと
魔術師としてのバビロニアのマギが明白に区別されました。
新約聖書で東方から星に導かれてきた三人をマギでなく博士と呼ぶことが一般的です。

 

f:id:tw101:20191219103148j:image サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂のモザイクに描かれている三人のマギ


さて、私は『賢者の贈り物』が大好きでした。
小学生の時に教会学校のクリスマスで劇をしたり、
高校生の時は原文を「英文和訳」でなく「翻訳」しようと頑張ってみたり、
思い出はいくつもあります。


あらすじは…


貧しいヤング夫妻はクリスマスにプレゼントを買うお金がありませんでした。
そこで、夫のジムは祖父と父から譲り受けた
大切な金の懐中時計を質に入れ、
妻デラの美しい髪を飾る鼈甲の櫛を買います。


一方デラは自慢の長い髪を切って売り、
愛するジムが大事にしている懐中時計に吊るす
プラチナの鎖を買いました。


妻の短くなった髪を見たジム、
ジムが懐中時計を手放してしまったことを知ったデラ…


お互いの一見愚かな行き違いが、
もっとも賢明な美しい行為だったのです。

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オー・ヘンリーといえば、「最後の一葉」という

悲しいけれど愛のこもった短編小説も大好きでした。
たまに、泣きたくなった時に読んでいました。


今年、6才の孫娘へのクリスマスプレゼントに
『賢者の贈り物』の絵本を選びました。
絵はリスペード・ツヴェルガー
矢川澄子さんの訳によるものです。

 

 

昨日、Amazonから届いた絵本をパラパラめくって、

叔父さんである、次男が言いました。

「ちょっと難しくない?」
「読み聞かせだからいいのよ」と私。
「読んでもらったことなかった…」と息子。
「…」私 絶句。


二人の息子が小さかった時のクリスマス、

バブル真っ只中のクリスマス…
商家の嫁の私は本当に忙しくて、プレゼントを用意するので精一杯、
クリスマスを迎える心の余裕がありませんでした。

その時期は本も読んであげてなかった…

「ごめんね…」


今、ゆとりを持って、孫娘に本を読み聞かせすることができて
幸せだなあと思います。


今年のクリスマスは幸せがいっぱい…になりますように!

 


『賢者の贈り物』の全訳を自由にお使いくださいという素敵なサイトがありました。
よかったら、ぜひ、お読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

http://www.hyuki.com/trans/magi.html