港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.167 映画《リンドグレーン》ネタバレご注意!

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岩波ホールの映画とお食事を楽しむ会」という

素敵な企画に初めて参加してみました。

 

 

 

いきなり冒頭からアブラハムと「ソドムとゴモラ

の説教が行われる教会のシーン…

16歳のアストリッドは牧師の話も上の空、

隣席の母親から睨まれても気にかけず、

聖書をいじっている姿にはなから共感を得てしまいました。

雪の上を走るソリに乗っての帰り道、

「おはようばっかり言っているゴモラソーダ水ばかり飲んでいるソドム、

どっちがいい?」というアストリッドをまたしても母親が睨みつけます。

教会の敷地に住む信心深い家族の中でも、

アストリッドは少し変わった女の子なのねと、さっそく、感情移入。

 


この映画は私の大好きな作家アストリッド・リンドグレーン

16歳から10年間を描いた映画です。

 

 

 

 

 

 

あらすじは…

スウェーデン片田舎スモーランド地方の自然の中で、

信仰ある両親の元で、3人の兄弟と伸び伸びと育ったアストリッドは、

思春期を迎え、男である兄と女の自分への扱い違いから、

「神の前で平等なはずなのに男女の差はおかしい」と自分の考えを持つなど、

保守的な田舎の生活に息苦しさを感じていました。

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ある日、地方新聞社の編集長ブロンベルクに文才を見込まれ、

仕事に就き、次第に才能を開花させていきます。

当時流行の兆しを見せていた「断髪」にいち早くチャレンジし、

自由な未来へと飛び出していくアストリッドでした。

 

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亡き妻の間に7人子を持つ49歳の編集長ブロンベルクは2番めの妻との

離婚調停中にもかかわらず、

まだ未成年のアストリッドと恋に落ち、

愛し合うようになり、

不倫の末に妊娠させてしまいました。

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猛反対の母親と、ブロンベルクの離婚後、

彼と結婚する考えを変えないアストリッドは対立し、

自分一人でデンマークコペンハーゲンで出産することを決意します。

幸運にもマリアという愛情溢れる女性と知り合い、

無事、可愛い男の子を出産し、ラーシュと名付け、

ラッセと愛称で呼ぶことになりました。

 


アストリッドの不倫関係のせいで妻に姦通罪で

告訴されそうなブロンベルクはなんとも頼りなく、

アストリッドは裁判が落ち着くまで、ラッセをマリアに預けて、

事態が収まったら、家族で一緒に暮らそうと、

単身ストックホルムで仕事をし、

スウェーデンデンマークの間を行ったり来たりする生活をしました。

 


ところが、いつまでたってもブロンベルクは離婚問題を解決出来ず、

時間だけが無駄に過ぎ、ラッセママと呼ばれていても、

ラッセの本当の母親になれないジレンマを抱え、アストリッドは悩みます。

 


結局、ブロンベルクとは結婚せず、

シングルマザーとしてラッセと生きる決心をしますが、

なかなか思い通りにはいきません。

そんなとき、後の夫となるリンドグレーン

アストリッドの支えとなっていきました。

 


最後はアストリッドの実家に戻る決断をして、

周囲の冷たい視線を跳ね除け、

祖母となる母親がラッセを抱いて、

教会に連れて行くシーンで終わります。

 

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ネタバレごめんなさい。

この映画は「ストーリー」よりも情景や情感を味わう映画だと思います。

 


なんと言ってもも主役のアルバ・アウグストが魅力的でした。

子どものときから、「可愛い」と言われたことのない女の子が持つ悲観主義

ときには癇癪を起こし、わがままで自己中心的。

しかしながら、打算なく一途なアストリッドをよく演じていたと思います。

 

ラッセを演じた子役の男の子が天使のように可愛くて、

メロメロです。

 


さて、私は小学生時代にリンドグレーンにはまりました。

特に「やかまし村」が大好きで、近所の子どもたちを「やかましごっこ」をしていました。

いつかスウェーデンに行きたいなあと思っていました。

 

f:id:tw101:20200126091801j:image 岩波ホールに展示してあった初版本

 

最強の女の子ピッピは個性があまりに強くて、

ピッピとどう付き合っていったらよいか途方にくれた思い出があります。

私は物語に中に自分も入っていき、自分のキャラクターを作り、

一緒に遊んでしまう遊びをしていました。

アン・シャーリーにはお付き合いできましたが、

ピピロッタ・ビクトリア・ルルカーテン・クルスミュンタ・エフライムスドッテル・ロングストルンプ

あまり奔放でアンニカように楽しく付き合えないわあと本気で思っていました。

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今回、映画を見て、アストリッドの中のなりたい自分の一人が

ピッピだったのね!と納得しました。

 


今、アメリカ大統領だって怖くない、世界最強の女の子はグレタさんです。

おさげのグレタさんはピッピ⁉︎

 


スウェーデンという国が、最強の女の子を生み、育てられる土壌になったことに

もしかしたら、いえ、絶対にアストリッドが一役かっているのねと思いました。

 

 

 

岩波ホールで映画鑑賞後、水道橋方面に歩いて7分、

「庭のホテル」でお食事しました。

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軽いランチかと思いきや、フルコースメニューで驚きました。

 

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映画にちなんでのジンジャークッキー、ベリークッキーも美味しかったです。

 

 

 

お食事後には北欧ジャーナリスト森百合子さんのトークショーもあり、

至れり尽せりの会でした。

 

f:id:tw101:20200126092259j:image  スウェーデンっぽい仮装というテーマでは圧倒的にピッピだそうです。

 

 

 

アストリッド・エリクソンアストリッド・リンドグレーンになるまでの恋物語や、

その後の人生はどうなっているの⁉︎

この続きはまた、後日…に。