港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.178 孫娘とパジャマパーティー!

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4月3日に小学校入学式を控える孫娘と、

(自粛ムードの中で、お祝いお食事会にも行けないので、)

私のお家で二人だけの初お泊まりで

パジャマパーティーをしました。

 

 

 


この日のために用意した絵本3冊。

 


《おおきな木》

原題“The Giving Tree” は米国の作家・イラストレーターの

シェル・シルヴァスタイン作、

1964年に出版されて以来のロングセラーの絵本です。

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おおきな木とちびっこのモノトーンでシンプルな絵でおなじみです。

私は本田錦一郎さんの翻訳(1976年)で読んでいましたが、

村山春樹さんの訳(2010年)も出ていて、

少しニュアンスが変わっています。

両方読み比べてみるのも面白そうです。

 

ちびっこにねだられるままに、

自分の全てを与えるおおきな木、

愛とは、幸せとは、を考えさせられる内容です。

 

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《ないた赤おに》

浜田廣介作の児童文学代表作です。

人間と仲良くしたい赤おにの願いを叶えるために青おにがしたことは…

“自己犠牲”がテーマともいえます。

 

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子どもの時から大好きで、泣きたくなると、

引っ張りだしてよく読みました。

絵本にするには、少し字数が多いですが、

読み聞かせには良い本です。

いろいろな絵本がありますが、

今回はいもとようこさんのやさしい絵柄を選びました。

 


《字のないはがき》

中学校教科書にも載っている向田邦子のエッセイを

彼女を尊敬してやまない角田光代が文にして、

西加奈子が絵を描いた感動の絵本です。

 

薦められて、3冊目の絵本にしました。

戦時中、疎開先から届く字も書けない小さな妹からの「○」が書かれたはがき。

子どもを一人遠くへ手放す両親の思い、だんだん小さくなっていく「○」

切なさが募ります。

 

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最後に、エッセイにはない文を角田光代が加筆しています。

 

 

 

 

孫娘はお話を終えた時、「いいおはなし…ありがとう」

と言って絵本を撫でていました。

 


コロナウィルス感染者は日増しに増加し、

外出自粛に影響は日常生活を変えてしまいました。

私自身もいつ、コロナウィルスに感染するか、

他人事ではありません。

外出もせず、普段の時より家にいる時間が長いので、

何が一番大切なのかと考えることが多くなっています。

 


孫娘に読み聞かせをする絵本を選ぶときも、

何を伝えたいか!と考えました。

 


自分は愛されている…という安心感。

人生は生きる価値がある…という肯定感。

 


この二つがあれば大丈夫と思います。

そして、その上に 他者の事を考える…という

幸福感があれば より充実感を持てるでしょう。

 


まず、自分を愛しなさい。

「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい。」

とイエスはおっしゃいました。

自分を愛せない人は誰も愛することはできません。

 


「おおきな木」は愛するちびっこに自分の全てを与えました。

ちびっこからの見返りは何もありませんでした。

でも、木は幸せでした。

「おおきな木」は「与える木」です。

 


青おには赤おにの幸せのために

持っていたものを捨て、遠くへ去りました。

 


これは自己犠牲でしょうか…

犠牲という言葉は何かを失うという意味がありますが、

 

おおきな木も青おにも、失ってしまったものより

より多くの幸せを心に持つことができたのではないかと

思えてなりません。

 


「字のないはがき」の小さな妹は

家族に大切にされ、愛されていました。

あの戦時下の非常事態の中で、

お父さんは家族に最大級の愛を与えました。

子どもたちは一生、父親の愛に満たされて

生きることができました。

なんという幸せ…

 


さて、今、人生で何が大切でしょうか…

と問われたらと考えました。

…お金、不動産、社会的地位、名誉、学歴、

家族、健康…

 

どうでしょう。


還暦を過ぎ、人生の実りの時を迎えてから、

私はより、『豊かに生きたい』と願うようになりました。

 


お金がある、なしという基準ではない『豊かさ』

それは、もしかしたら、

他者を思いやる心ではないかと思います。

 


私がオーナーをしているシェアハウスのラウンジには

エーリッヒ・フロムの言葉が掲げられています。

 

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   Not he who has much is rich,

    but he who gives much.

 


    多くを持っている人が豊かなのではなく、

     多く与える人が豊かなのだ。

 

私も大好きな言葉です。

 


数多の試練を乗り越えて、

新型コロナウィルスが終息した後の世界は

今までとは違っているような気がします。

多くを持つことが幸せというこれまで概念から

多く与えることこそが豊かなのだと感じることができる

社会へ変貌していくことを

心より願っています。

 

夜遅くまで はしゃいでいる孫娘より

私の方が先に寝てしまいました。

 

真夜中に起きてみたら、

満足そうな顔をして寝息を立てていました。

 

どうか、豊かに生きてね!と祈るように

ささやきました。

 

桜の美しい春のことでした。

 

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