港も見える丘から

人生のゴールデンエイジにふと感じることを綴っていきます

NO.173映画『レベッカ』ヒッチコック監督の名作

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このところ連日、テレビでもSNSでも、

「新型コロナウィルス感染関連」について話題ばかりで、

必要なことが隠されてしまっているような気がして、

気が滅入ってしまいそうなので、

Amazonプライムで映画やアニメを観る時間が増えています。

 


雨模様で、家にこもって過ごした一日、亡き母が好きだった

映画「レベッカ」を観ました。

レベッカ”(Rebecca)は1938年に発表された

イギリスの女流作家ダフニ・デュ・モーリエの代表作です。

 

高校2年生の倫理社会の授業は、何を学んだのか、

ほとんど覚えていませんが、

試験は自分で選んだ本の読書感想文のようなものでした。

各学期のテストでそれぞれ、

有島武郎或る女」「惜しみなく愛は奪う」

そして、「レベッカ」について書きました。

愛するとは?女の生き方とは?と考えていた思春期真っ只中、

年配の敬虔なクリスチャンだった男性教諭を驚かせてしまった内容を、

今でもよく覚えています。

 


映画「レベッカ」は1940年、イギリスで活躍していたヒッチコック監督の

アメリカでの第一作となったサイコスリラー映画で、

第13回アカデミー賞にて、最優秀作品賞・撮影賞(白黒部門)を獲得しました。

日本公開は戦争が終わって映画を見る余裕が生まれた1951年でした。

 


あらすじです。

 


ある上流夫人の付き人として南仏モンテカルロのホテルに滞在中の若き女性「わたし」は英国の名士で大金持ちのマキシムに、その無垢さゆえに愛され、求婚され、後妻に迎えられ、

コーンウォールにある大邸宅マンダレイに住むことになりました。

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マキシムの前妻レベッカは1年ほどまえにヨットの転覆事故で亡くなりましたが、

彼女の存在はまだ色濃く残り、「わたし」はレベッカを崇拝してやまない家政婦長ダンヴァース夫人の執拗な嫌がらせを受けます。

 


「わたし」はレベッカへの対抗意識もあって、マキシムに頼み込み自ら仮面舞踏会を主催しますが、ダンヴァース夫人の策略により、亡きレベッカが装ったドレスを着てしまい、マキシムの不興をかってしまいます。

 

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失意のレベッカをダンヴァース夫人は容赦なく追い詰め、窓から身を投げさせようとしますが、その時、難破船が上がった知らせの花火が上がります。

 

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その船内からレベッカの遺体が見つかり、事件の真相が明るみに出ていきます。

それは、マキシムに不利になる経緯を示していました。

 


レベッカと結婚4日目にして、彼女の本性を知ったマキシムは結婚が間違いだったと後悔しますが、外目には完璧な妻を演じると宣言するレベッカと取引して、不本意な結婚生活を続けます。

レベッカは「いとこ」と称した愛人と逢引を重ね、挙げ句の果てに妊娠した事をマキシム伝え、

事実を知ったマキシムが激怒し掴みかかろうとした時、レベッカは転倒し、弾みで頭を打って死んでしまいました。

動転したマキシムはレベッカの遺体をヨットに載せ、ヨットの底に穴を開けて、沈めてしまったのです。

そにヨットが発見されたのですから、マキシムは殺人の疑いをかけられそうになります。

 

しかし、レベッカが死の当日に受診した医師が、レベッカは末期癌に侵されていて、自殺をほのめかす事を言っていたと証言し、レベッカの死は自殺と断定されました。

自殺を決めたレベッカはマキシムに「殺人」の汚名をきせようとしたのです。

マキシムは安堵し、ロンドンから「わたし」の待つマンダレイに帰る未明、マンダレイから火の手があがっているのを見ます。

燃え盛るレベッカに部屋に浮かぶ人影。

ダンヴァース夫人は二人の幸せを阻むべく、麗しのマンダレイ館に火をつけたのです。

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愛する若妻は無事か!と必死で探すマキシムの腕に中に、「わたし」が飛び込んできて、ひしと抱き合います。

レベッカも真の愛で結ばれた二人を引き離すことは出来なかったのです。

 


めでたし めでたし!

 

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主演の「わたし」を演じた女優はジョーン・フォンティン。

マクシミリアン・ド・ウィンター(マキシム)は名優ローレンス・オリヴィエ

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ジョーン・フォンティンの実姉は「風と共に去りぬ」で

メラニーを演じたオリヴィエ・デ・ハヴィランドです。

 

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東京生まれの美人姉妹は競いあう間柄のようでしたが、

ジョーンは姉より先に『断崖』(ヒッチコック監督)で1941年に

アカデミー主演女優賞を獲得しています。

 


当時、ローレンス・オリヴィエビビアン・リーと恋に落ちていて、

この役柄も実はビビアン・リーにさせたかったようで、

ジョーンに辛く当たったというようなことあったようです。

 


それにしてもすごいこの頃は美男美女の

すごい役者さんたくさんいたのですね。

 


さて、感想分を書いた17歳の私は映画を見る由もなく、

ただ壮大なマンダレイを想像し、最後の炎の中で、

黒髪のレベッカが勝ち誇った顔で笑っている絵を

頭の中で描いてたようです。

 

ヒロインが名無しというのは面白いと思います。

 

 

モーリエ女史は自分と同じ「ダフネ」という名前にしたかったらしいですが、

監督が彼女に名前を与えず「わたし」「ド・ウィンター夫人」

レベッカがいなくなって初めて彼女は

一人の名前を持つ女性になれるたのでしょうか。

 

シャーロット・ブロンテ作「ジェーン・エア」と

“後妻” “元妻” “屋敷の火災”  “最後は結ばれハッピーエンド”

という類似点があり、面白いです。

それにしても、白黒映画って美しい… 

 

 


そして、いつか舞台となった

コーンウォールに行ってみたいものだと思いました。